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【SEIZO対談】JIZAIE X SOLIZE PARTNERS X K’s DESIGN LAB 前編

  • 15 時間前
  • 読了時間: 17分


概要


SOLIZE PARTNERSとケイズデザインラボの新しい取り組み、日本のものづくりを変えるプラットフォーム「SEIZO」が、遠隔就労を支援する映像圧縮技術の社会実装を行うジザイエの製造DX事業に参画し、CEATEC2025でプロダクトを発表しました。


本対談は、ジザイエ・SOLIZE PARTNERS・ケイズデザインラボが、3Dプリンティングを中心とした「新しい製造=デジタル製造」の価値と課題を共有し、最終製品への活用と製造業DXの普及に向けた展望についてディスカッションしました。展示会での協業を起点に、デジタル製造におけるコスト・品質・意識変革をどう実現するかを議論しています。





テーマ1:対談の趣旨説明


内田

先日のCEATEC2025での皆さまとのお取組にフォーカスしつつ、私たちが目指すデジタル製造、製造DXの核の部分の記事としてしっかり明文化しておこうという趣旨の対談になればと思います。


三浦

よろしくお願いいたします。CEATECに向けての話の立ち上がりの部分を、ちゃんと話せるといいのかなと思っています。今回のスマホタイプのものも、徐々に現場に出始めておりますので、そういった目線でも弊社としてはアピールできるといいのかなと考えています。そのあたりの温度感は、鈴木(ジザイエ/クリエイティブディレクター)とも話しながら広げていければと思います。


内田

今回のインタビューは、ジザイエさんのサイト、SOLIZE PARTNERSさんのサイト、SEIZOのサイトに掲載する記事がベースになりますが、ひとまず「SEIZOとしての取り組みをやりました」という記録を世に出す、という目的になります。


三浦

弊社の投資家さん向けにも、「ハードウェアをやるって本当に大変だけど、ジザイエはやりきれる会社なんですよ」というメッセージをきちんと届けたいと考えています。「御社できるの?やりきれるの?」という目線に対して、「いや、こういうチャレンジをしているから、できるようになっているんです」─という情報としても活用したいと思っています。その一環として、「こういう座組で、こういう人たちがやっています」という紹介も社内外に向けてできればいいなと。


ジザイエ 執行役員 CTO 三浦氏
ジザイエ 執行役員 CTO 三浦氏

テーマ2:デジタル製造・製造DXについて


内田

ジザイエとSEIZOについてお聞きしたいのが、ジザイエの人たちが、デジタル製造を必要としている由来みたいなところってなんだろうと。いつも語っていると思うんですけど、しっかり「公式の言葉」にしたいです。


加藤

僕らなんでこれを立ち上げたかというと、3Dプリンティングも含めてなんだけど、日本中で「新しいものづくり」がはじまっているわけではないんだけど、必ず社会の動きからいって旧来のものづくりの仕方みたいなものが、少しづつ変わってくるはずで。そこの未来にむけて「ちゃんと選択肢として準備をしておきたい」という目的がコアにあります。この目的にSOLIZE PARTNERSさんにも賛同いただき、「きちんとした任せられるデジタル製造のプラットフォーム」があって、当たり前のように新しいデジタル製造が、ちゃんと選択肢として考えてもらえるような仕組みを作りたい、共通の目線をもってスタートしています。ジザイエさん視点でも、「新しいデジタル製造」「製造DX」みたいな話に必要な取り組みとして評価いただき、仲間に入れてもらったんだと思います。


三浦

最近見てて思うのは、この「デジタル製造/製造DX」ってどういうこと?って、具体的にはわかりにくいので、万人にわかるキャッチーな言葉が見つかるといいかなって、思います。「製造DX」って、そのものづくりの手法の話は、自身でやってないと、“気になる人たち”が騒いでるだけで。実はそれを使って最終製品を作る人たちは、まだあんまり詳しくなかったりします。もっとキャッチーな言葉が 1 個あると、今後も謳いやすいのかなとは思ってました。


加藤

うん、そうですよね。僕は、商品開発してるメーカーなんかの大元の人が、ちゃんとハンドブック感覚で取り扱えるようなものに、どんどんデジタル技術を入れていくと、理想に近づいていくじゃないかと思います。


ケイズデザインラボ クリエイティブディレクター 加藤氏 ・ 同社 プロデューサー 内田氏
ケイズデザインラボ クリエイティブディレクター 加藤氏 ・ 同社 プロデューサー 内田氏


テーマ3:モノヅクリのコスト・コントロールの難しさ


三浦

「3Dプリンター」と、従来の「金型+射出成形」のコスト比較は、かなりの頻度で焦点になります。コストのコントロールは、射出成形で作る時はもちろん金型の見積もりが最初にありますが、国際情勢によって鋼材の値段が変動したり、物流もどこかの運河が使えなくて、予定を一から変更して2カ月遅れる、みたいなことが往々にして今の時代はあります。設計修正が生じれば、金型修正するとなると、金型で3,000万かけたあと、修正作業で追加で1,200万かかってしまう。3Dプリンターは「安い/安くない」の判断が先に立つけど、そもそもそういう要素が少ないという時点で優秀な面はありますが、ひっくるめて定量的に、従来工法とプリント工法を緻密に全比較というのは、不可能だろうと思います。 実際、金型で作る時と3Dプリンターで作る時の「何個まで/どこ向けに/どう作るなら、こういうコスト曲線」が試算できないので、やはり今までの慣れたやり方でやろう、となりがちです。プリント製造が時間とともに、より動く量が増えてくれば、コストは下がってくるし、こなれてくるはずなんじゃないかな。


井上

ものづくりにかかるコストをどう見るか、という点が重要だと思います。 単純に製品を作る製造コスト部分だけに着目すると、3Dプリンターのメリットは限定的で個数も大きくできないのが現状です。 ただし、プロダクトライフサイクル全体で考えると、製造コストは全体の中の一部で、他にも試作も含めた製品開発、サプライチェーン、型保管、在庫コストなど多くの見えないコストが発生しています。そこまで含めたトータルのコストで考えた場合、開発段階の細かな修正、トライ&エラーの サイクル短縮、データ・製造パラメータを含むデジタルで在庫をもつ、必要な時に必要な分だけ製造することができる、必要ならば修正もデータ変更のみでOKという3Dプリンターの強みをより活かすことができ、活用の場も広がっていくと考えています。


加藤

そうですよね。あとは、シンプルに3Dプリンターの造形費がもうワンランク安くなるいいよね、思ってるんだけど。というか安くするべきだとは思ってて。プリント物量を3倍くらいの需要にして、造形費用は今の半額くらいにする、みたいなのはどうなの?量を増やして、コストを下げるという当たり前のやり方で。


対談の風景
対談の風景


テーマ4:3Dプリンターのコストについて


井田

単純に需要を3倍に増やして、その分半額にするくらいのことを市場で起こさないといけないんだと思うんです。造形機もグローバル的に見ると大型化していっている傾向があり、レーザーをたくさん載せたりして、造形時間を効率化していっている。造形の費用は造形スピードにどうしても由来してしまうので、グローバルメーカーのこの傾向は新しい未来を感じます。例をとると、HP社のMulti Jet Fusion(MJF)では、現行モデルで1バッチ17〜18時間かかっていたのが、後継機種は計算上15時間以内になっていたりと、進化しているんです。総じて、造形機もどんどん大型化、レーザー多灯化で効率化が進んでいて、造形の費用=造形時間に比例する部分の改善は、グローバルでは確実に進んでいるのかなと。


加藤

そうなんですよね。必ず安くなっていくジャンルだと思ってて、もちろん限界値は当然あるとは思いますが。「今この機種だから高い」「この素材だから高い」とか、なんかそれって短期的な視点の話題であって、「高いから使えない」じゃなくて、将来的に必ず安くなる方向にいけば、効率よい生産ができるはずだから、準備をしておく必要があるんじゃないかな。合理化することに抵抗する力って、10年前と比べたら…。当時は本当にひどいもので、全く使えないものも多かった。でも、今これだけ使えるプリンター機種が多くなってきていて、将来的に考えるとかなり現実味を増しているはずなので、この進化は止まらない。必ず進んでいくと思います。


三浦

そういう意味では、おそらく機械の歴史を見てもそうだと思います。金型を作るのも今は安くなっている。でも、それは「安くするために」取り組んできた結果で、4色成形とか、すごく難しいことをやり始めていて、難しいことを安くしていく──それは物づくりの特性上、絶対にやるものだと思っています。今は安くしていくとか、精度を上げていくとか。個人ユーザーがデジタル化を進めて3Dプリンティングが進むとか。これは機械発展のポイントだと思ってますね。なので私は、「今のトレンド的に3年後5年後だったらこういう製品が出てきて、もうちょっと良くなる。だからコスト部分も見込んで計画立てましょう」と、製造側が言えるくらいになるとすごくいいなと感じます。10年スパンで製造機がどう進んでいくかのキャッチアップはこれからも難しいと思っているんですが、例えば「2年後・3年後にこの工程コスト15%下がる」というなら、それを見込んだ計画にしようよ、と読み取りやすくなるとすごくいい。今だと「現状の仕様前提で台数だけ増やす」みたいな試算になると、本当にコストメリットどこ?って話にとどまってしまう。製造技術が停滞し続けた歴史はないので、どう進んでいくかを教えてもらうと、すごくありがたいなと思います。


加藤

そうですね。SOLIZE PARTNERSさんたちも、新製品をバンバン導入していますしね。海外から「そんなの買っちゃうんだ?!」というものもね(笑)。


井田

今からドイツで、プリンターの見本市「Formnext」という世界で一番大きい見本市みたいなのがあって、我々もそこでいろんな新しい情報を入手しています。弊社は特にどこかの資本が入ってるとかはないので、メーカー問わず導入可能というで、ここ2、3年でもプリンターの台数だけで言うと、自社の工場にプラス10台ぐらいは増えていますね。2025年4月からは新しいイタリアメーカーのFDM機も入れています。今まで「イタリア製はちょっと怪しい…」みたいなのがあったんですけど、すごくグローバルに使われています。特に最終製品に特化したプリンターということでは非常に貴重な機種です。新しいプリンターを年々入れていっていますが、やはり「最終製品に使えるものじゃないと、つまんないよね」っていう目線で選んでます。


SOLIZE PARTNERS 井上氏
SOLIZE PARTNERS 井上氏

テーマ5:最終製品に使えるプリンター


加藤

最終製品でどれだけ使えるのか。ここ、すごい大事なところですよね。「最終製品に使う/使わない」って、結局メーカーが自社の判断基準で決めるものなので。だから、もっと選択肢が増えていくのかどうかがキーになるかなと思っています。なので、SOLIZE PARTNERSさんみたいな、色んな機種を持っているところとやるのが一番良いかなと思っています。


三浦

「なぜ最終製品に入れられないか?」って、実はすごく明確な命題だと思っています。 最初は不安なんですよね。使ったことのないものを使っていいかどうか、その判断材料をくれって皆さん思ってる。でも、射出成形に比べるとバックボーンがまだない。実績としても情報としても「出せません」って言われると、「じゃあ3Dプリント製で行こう」とは言いづらい。ただ値段は、出てくるものを見ると、絶対的に高すぎるわけじゃないじゃないですか。毎年のように、2段階くらいジャンプする製品がバンバン出てきてる速度感なので、まずどこに使うかの領域を決めて、そこでちゃんと使っていく。そういう活動をやっていかないといけないんだろうなと思います。で、いまはそれをやりやすい時期が来ているので、そこを加速できるといいなと。「最新機種を置いてみて、取り合えず、回してみる」みたいなことがやりやすい時期かなと思います。


井田

イタリア製のプリンターは「Roboze」というメーカーなんですけど、今は、造形時間がちょっとかかる点もあったり、そういう部分でこれからの製品です。装置そのものだけじゃなくて、本当の売りは「スーパーエンプラ」。今まで使えなかった材料が使える─そこがまず1つ、大きいんですよ。


SOLIZE PARTNERS 井田氏
SOLIZE PARTNERS 井田氏

テーマ6:3Dプリント品の物性について


井上

特に安全面が重要となってくる自動車業界のようなものづくりの業界においては、3Dプリントで製造されたものの品質・物性を心配されることが多いです。 よくあるのは射出成形(従来工法)と積層造形の比較として、どうかなどです。 まずはその部分をものとして使えることを説明し、実績を作り出すことが重要かと思います。 そこを独自に、我々でベンチマーク/実証実験等を通じて、これまで 「やれそうでやれなかった人たち」に アピールしていきたいですね。 射出成形も流動性に関わる温度、射出スピード、ゲート位置などのコントロールはノウハウですし、 3Dプリンターでも同様に粉体の流動性も重要ですし、粒子同士の結合というところで、 エネルギー量と時間等といった要素のコントロールも必要となります。 それは品質・物性というところを3Dプリンターでいかにコントロールしていくかというところは 装置販売・保守・製造まで幅広く行っているSOLIZE PARTNERSの強みかなと。 先ほどおっしゃられた顧客側の「不安」の原因は、やはり「物性・寸法のばらつき」がキーかなと感じます。 積層造形という方式の中で、どれだけばらつきがなく、顧客要求を満足できるものでありそれを定常的に 製造できる、と言えるかどうか、が重要かなと。 技術も進歩してきており、その性能を上げていけるような造形方式、粉末だと HP/MultiJetFusion(MJF)もありますし、 光造形ではFormlabs Form 4Lもあります。生産性と材料面で、従来より高性能・高強度・高靭性を出せるはずで、 そういったところを、今後どんどん取り入れていって、「今までできなかった」「やれそうでもやれなかった」人に アピールしていければと思っています。 製造の選択肢として、うまく取り入れてもらって、どんどん広げていきたいな、というのはありますね。


三浦

「製造DXに期待すること」としてはまさにそういうところだと思っています。まだ3Dプリンターの材料を作るってこと自体のノウハウがあまりないので、今はスピード感が遅いと思ってるんですけど、やり方が確立されてくると、素材開発って既存より早いんじゃないかなと思ってます。射出成形では、流動性がどうとか、ヒート&クールで金型温めて冷やして、表面性を上げるとか、形状ごとのノウハウが山ほどあります。めちゃくちゃ大変なんですよね。でも3Dプリンターって、隣の粒子を熱でくっつける、反応でくっつける、というミクロの現象としては 単純 なはずなんですよ。となると、今はまだ各メーカーがどこまで力を入れられるかわからない中でやってる感じだけど、実際「エンプラがどう」とかの評価も、射出成形より単純化しそうだな、と予測しています。そういったところがこなれてくると、たぶん「射出成形でやるんじゃなくて、1回材料は3Dプリントで作って、そこから射出に回そうよ」みたいにもなりうるのかなと思ってます。いまは 「こなれてない」 から「良くない」って言われてる部分を捲る技術とか事例が、もっともっと出てくるんじゃないかなという期待があります。そして、出てきた最新の素材をポンと3Dプリントしちゃって、まず見てみよう!みたいなことができるのが魅力かな、と。今までは、例えばスーパーエンプラを削り出して作ろうとすると、「そもそも削りにくいんだよね…」とかありましたけど、そういうのも無くなったりするだろうし、素材ベンダーがもっと増えてくると、「とりあえず試してみて」がポンとできる。これは今までなかなか出来ませんでした。大手しか素材研究できなかった理由でもあるし、中間工程コストを下げられるポテンシャルがあると感じています。


粉末焼結造形、光造形など様々な方式の3Dプリンティングプロダクト
粉末焼結造形、光造形など様々な方式の3Dプリンティングプロダクト


テーマ7:ジザイエのビジネスモデルが求める開発スピードとは?


三浦

我々ジザイエは「遠隔就労の実現」がビジネスの軸です。それだけは決まっているんですけど、このサービスをずっと提供し続けようと会社として決めているわけじゃないんです。創業から3年ですけど、本当にその葛藤があった3年でした。今は足りないものを作っているだけで、別にそれをずっとやろうと思っているわけでもないので、2年、3年で、作るものをどんどん変えていく可能性があります。そういう意味でも「もっともっと作りやすい方法を、どんどんキャッチアップしていかないと、自分たちが求める開発スピードに自分たち自身が追いつけなくなる状況」が簡単に起こり得てしまいます。この3年ですらそうだったので。そういうところはすごい期待していますし、今こうやってSEIZOとやらせてもらっている理由にもなるかなと思っています。


井上

結局ボリュームの話もあるのかなと思っています。やっぱり素材メーカーさんとかって、量が出ないと本腰入れてくれないんですよね。「これ作りたいです!」って言っても、まず出てくるワードが、「ボリュームってどんな感じ?」「市場規模どれくらい?」なんですよ。で、年間1トンしか出ない、みたいな話になると「それだと償却できないよね」ってなっちゃう。だから、こういうスピード感で使ってくれる人をどんどん広げて、パイを広げることで、消費ボリュームが出て、材料開発もどんどん進むという良い循環になると思っています。どっちが先か問題はあるんですけど、今回のようなSEIZOの活動が一つのきっかけになってくれれば良いなと思っています。


三浦

そうですね。私は、最初は好きだからデジタルの製造手法に突っ込んできたところがありますが、もともと中小企業に限定した取り組みをしていた中で、「どんなものなのか?を知ったら、すぐ動ける企業・人」は確実にいるんですよ。でも、そうじゃない方たちも多い。だから、まずは動ける人たちに知ってもらうところからなのかなと思っています。



テーマ8:3Dプリンターの使いどころを「試作から最終品へ」は命題


三浦

ジザイエのお客さまは土木・建築系の開発企業が多いんですけど、「この部品、3Dプリンターで作りました」と言うとまず 「大丈夫?」 という反応が返ってきます。不安というより「試作品でしか使わないもの」と思われています。試作品=詰めきれていない=手抜き、みたいに見られてしまう。これは今の課題ですね。だから、この意識替えを発信活動できっちり変えていきたいと思っています。「プリンタ=最終製品」という選択肢が、まだ会話に上がってこない。SEIZOと一緒にやることで、この選択肢に乗れる人を増やしたいと思っています。


加藤

確かに最近は精度は高くなったけど、射出成形に比べて「いつも同じ結果が出ない」ことへの引け目はまだありますね。だから「試作レベルなんじゃないの?」と見えないように、ちゃんと本番の製造技術として伝える取り組みが大事だと思います。それがこの新しいSEIZOの取り組みのメイン思想とも言えます。


井田

まだ「3Dプリンター=最終利用の選択肢」がお客さんに乗ってきていないので、ここを一緒に活動して変えたいですね。


三浦

結局ニワトリと卵なんですよね。削り出しの方が物性的には脆そうでも、見た目の認知だけでそっちが安心とされてしまう。建築の人なんて「建築3Dプリンターで人が住むの無理でしょ」と普通に言いますから(笑)。だから、キャッチーな言葉が必要だとCEATECで改めて感じました。


加藤

正直我々も「3Dプリンターで作りました」を言いたいわけじゃない。言いたいのは「新しい製造方法です」ということです。ローマ字でSEIZOを世界標準にできないか、みたいなことまで考えています。だからこそジザイエさんとタッグを組んで、「デジタル製造をきちんと選べる世界」を一緒に作ろうとしているんです。


三浦

実用性なんてなくてもいいので、キャッチーな事例を世に出したいです。たとえば金属・切削プラ・MJFを並べて100kg吊りテストで「ほら変わらないでしょ?」みたいな。とにかくポジティブに入れる機会をつくりたい。割れると言われれば「そうですけど、厚くすれば大丈夫です」みたいな(笑)。既存の常識をいったん外せば、もっと使いやすくなるはずです。


加藤

そういうことも必要ですよね。今は機種も素材も乱立しているので、どこかが定量的な比較をするべきですよね。素材の物性や強度だけでなく、フィニッシュ(塗装・仕上げなど)もすごく大事だと思っています。そこで感じる「試作品っぽさ」を無くすために、トップコートや加工のノウハウをSEIZOとして蓄積をはじめています。


三浦

そうですよね。金属のメッキやアルマイトが価値を上げてきたように、3Dプリンターも同じフェーズに入っている。3Dプリンターが広がれば、周辺技術のビジネスも一気に広がる。そこが面白いと思います。


井上

実際ナイロン素地に対する量産用の塗料開発なども行っており、積層造形っぽさをなくし、見栄えを より現状の量産品に近づけられるようになってきています。積層が悪いわけではなく、加工技術が追いついてきた部分もあると思います。


鈴木

積層痕って「悪い」のではなく、そう見えているだけで、積層がポジティブになれば問題ないと思います。むしろ積層デザインの正解がまだ出ていないだけで、見慣れた瞬間に美学は成立します。


三浦

均一なノイズじゃなく、温度で荒らす専用ヘッドで意図的なシボを作る、みたいなこともできるんじゃないかな。無駄だけど、無駄が文化を作ることはある(笑)。射出だって打痕隠しからシボ技術が生まれていますし、遊びの実験こそ価値があると思ってます。


ジザイエ 執行役員 CTO 三浦氏 ・ 同社 クリエイティブディレクター 鈴木氏
ジザイエ 執行役員 CTO 三浦氏 ・ 同社 クリエイティブディレクター 鈴木氏



【後編】へつづきます。





 
 

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